2004-01-01から1年間の記事一覧

短歌日記

わたくしを中心にしてみづうみに波紋は生れる 暗緑の円こいびとと約束をしていた五時すぎにうすみずいろのコートを羽織る

今日はお散歩をした。 家の近所を流れる善福寺川に戯れる鴨に誘われ、川の源流へ。 一時間ほどかけて善福寺公園にたどり着く。 途中、体の半分を水に突っ込んで水中の餌を漁る鴨が三羽。 突き出されたお尻のいとおしさに、しばし足を停める。 小鴨とかもすい…

お仕事を探していたら、こんな映像を発見。http://www.shigotokan.ehdo.go.jp/jjw/servlet/gaisetsu/nanikana?jobID=0000523 出演者の選択を、いったいどなたがされたのか。 梅内さんのお部屋を拝見。

銀座からの帰宅に地下鉄丸の内線を使っている。 地下鉄は、中央線に比べて揺れが少ないので乗りやすくて好きだ。 シートに座ってうつらうつらしていると、 左隣の女性が文庫本を熱心に読んでいたので何気なく覗くと頁上部に 「あるようなないような」と、あ…

ほそぼそと短歌で埋められているこのページの色気のなさに、そろそろダイヤリーとしての本領を発揮させなきゃかなと思いつつ、文を。・・・ 今日は三時からの仕事なので、午前中は家で家事をしてみたり。 いつもは任せきりにしている洗濯をし、干す。 気づか…

短歌日記

屋上に星型バルーンそのなかに人ひとりいて跳びはねている

短歌日記

アパートの硝子に薄き紙の在り冬眠という字傾ぎはじめる冬眠を告げたる人のくすくすと眠り続ける朝日に扉を叩くよ〜、よ〜、と頬を抓れば目覚めるのか 全世界に忘れ去られて目覚めねば男は只の物体の集積である ぞんざいにするぞんざいに扱えど熱は与えられ…

短歌日記

切り取られ存へるもの六両の列車に葦は戦ぎつつ 昼びやうびやうと風渡る峪の空の上を真直ぐに歩む人の蹠爪先にて吊るされているあの山羊は私であったと覚えています首刈らば死ぬるだらうか? 向日葵の頭を支うる手に蟻が這う

かばんの20周年記念のイベントに行った。 生の様々な方々を拝見できて、一方的にどきどき。

短歌日記

髪の毛に指挿し込めば雪のごとか細き前歯のたち顕れる

短歌日記

流れ行く煙の先を窓越しに見送る夫は目玉焼きやく

石川美南さんの批評会に行く。土曜日がお休みになることなんて、この3年あまり数えるほどしかなかったのに、なぜだか図ったようにお休みになったので、あらうんめいかしら、と思ったり、思わなかったり。会場には岡井隆さんや水原紫苑さんなどの心のスター…

短歌日記

仄暗き道にてすれちがう少年はでらうぇあのような眼を二つ持つ

台風で、実家の近辺が大変なようです。 ところで今棲む地域には、あまり台風が来ません。 台風に季節を求めるあたり、不埒なわたくしですが、ああ、でも、風が強くなってきました。ちょっとこれから窓でも開けてみようかと思います。

日記

みたもの。長野の飯田でみたもの。これが、私の夏の記憶です。

短歌日記

みたものをそのままくずさずすくうすくうがそれは崩壊である

短歌日記

をゆびにていのちを奪うこれまでは腕を動かす虫で在りしものの 手の平を打ちならす冬「私はなかはらちゅうやを見たことがない」 この部屋は暫く雲につぶされるやがて蛇口の消えてゆくまで

短歌日記

まるまって卵のようになっている人をみている オカリナをふく

短歌日記

差換えてみよう 私の腕と君の腕を 蘭が咲きかけている 眦に渓流のある岩にあしをならべておれば落葉松である まつの木にあなうらをあてしばらくを岩のうえにて待ちておりたり 母さんの黒い日傘をさしながら水平線をするする渉る わたしたち吊り橋のうえ列を…

短歌日記

たえまなく水母に声をかけている夏の終わりの郵便局で

一緒に棲んでいる人に、稀に短歌のお題をだされることがある。 (サザエさんで歌を詠みなさい、等。) 「え〜」 と、応えると、 「君にはその内容を歌にする技術もないのか?」 と、言われる。「ないよ〜」 やっぱり、それきりであるのか。

短歌日記

ふくまれているものたちをととのえる 凍りご飯の解けてゆくまで 君の待つ凍りご飯の食べごろは夜半であるよ すぐに食べなさい 自然に解けていって暑い部屋でほっといたら炊けたてみたいになっちゃって * * * 帆掛舟ありをりはべりいまそかり紋白蝶は菜の花の…

短歌日記

ビニールに閉じ込められてビニールの皺を見ている 温い水 さかな 手の平からこぼれたお菓子をちり紙で包んで食べるの母さん ひとりで

短歌日記

曇天に白き塔立ちをりぬ 人の芥の燃え上がりゆく

短歌日記

爪先で吊り下げられているような家鴨のようなわたくしのこと いいかげんなことばっかりをいっている入道雲をみないで、空で きりんからなみだをもらうぼくたちは遠くの野原でいっぱい殺す 彼女から奪いかえしてわたくしを黄色の小箱にぎうと押しこむ

短歌日記

加害者も、被害者もない くるくるとビニールホースを巻き取ってゆく 撒き水をする手のひらに滲む水 手は父ではない父は手でない

短歌日記

さようならと手を振る人の逃げ水に滲む踵をじっとみていた

短歌日記

てのひらのすんなりはいってゆきそうなマフラーを原からもらう春のはじまり みぎがわのあしは草亀ひだりがわのあしは銭亀と決めて散歩がしたいしたいよ散歩 台所に大きすぎるテーブル置いてからというもの 蛇と蛙に 暑いねとかわすこわねのひとひらのこぞの…

短歌日記

振りむけば人の遠のくころほろと水の沸きたつ路の真中で 白骨をうすく食みたる皮に指這わせれば父の啜り泣く声 昼 森に母の群れ立つ 象も亀もみんな死んでしまった夏の 菊花に閉じ込められている腿の間のあたりが無図痒くなる おっぱいのはねていることよろ…

体が、膨らんだり縮んだりしてる。 落ち着かないこと甚だしい。