2006-01-01から1年間の記事一覧
美しい歯列に薬指を挿し、待ち侘びている痛み(私を)
信号を気付かぬふりして渡るときもう会えないひとのことを考える
雨だれのような足音聞きながら梅乃宿など飲み干している
スカートをすこしめくって剃りたての太股にゆびあてる おやゆび
花型の釦を指に医者役のカトウサトコはあきらめている
目の端に在る夭折の叔父の骨 せせらぎからは虹が生まれる
仄かなる死の匂いして秘密めく男の被る髪は贋物
彫刻をしているときに刃が指にはいってきたので先生を呼ぶ
クリームのような精液腹に溜め 欠片ばかりの夢ばかり見る
薄紙を噛むようにして 午後の風 なぶられるまま脚をなげだす
からっぽの乳房に鼻を押し当てて息を吸うひと 息を吐く人
さしむかいほどかれている仙川の桜の花を食べながら する
椅子型の手首をもって歩く日の何(いず)れの空も青紫だ
腹を割く朱塗りの箸を持つ人の広々とした 親指の爪
揺すぶられてしまうやわらかく縛められて、からだのうえで
それはわたしのためにあるものではなく 花吹雪を切り裂く自転車
つかれては並んであるく ウェハースのような月が光っているのを見る
包丁が「こわい」といって包丁をむやみにかくす母は、キッチン
坂上るバイクの音の近づいてポストに手紙の落ちていくまで
指でしかできない会話 終わりからはじまりまでを繰り返し書く
台風は自転車並みの速度にて 島から島は舐められていた
昨年に続き、二度目の参加です。トラックバックって、どうするの?とか、のっけから不安要素が満載なのですが、 何とか走りきりたいと思っています。よろしくおねがいします。 http://blog.goo.ne.jp/daiei100syu