2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧
仄暗き道にてすれちがう少年はでらうぇあのような眼を二つ持つ
台風で、実家の近辺が大変なようです。 ところで今棲む地域には、あまり台風が来ません。 台風に季節を求めるあたり、不埒なわたくしですが、ああ、でも、風が強くなってきました。ちょっとこれから窓でも開けてみようかと思います。
みたもの。長野の飯田でみたもの。これが、私の夏の記憶です。
みたものをそのままくずさずすくうすくうがそれは崩壊である
をゆびにていのちを奪うこれまでは腕を動かす虫で在りしものの 手の平を打ちならす冬「私はなかはらちゅうやを見たことがない」 この部屋は暫く雲につぶされるやがて蛇口の消えてゆくまで
まるまって卵のようになっている人をみている オカリナをふく
差換えてみよう 私の腕と君の腕を 蘭が咲きかけている 眦に渓流のある岩にあしをならべておれば落葉松である まつの木にあなうらをあてしばらくを岩のうえにて待ちておりたり 母さんの黒い日傘をさしながら水平線をするする渉る わたしたち吊り橋のうえ列を…
たえまなく水母に声をかけている夏の終わりの郵便局で
一緒に棲んでいる人に、稀に短歌のお題をだされることがある。 (サザエさんで歌を詠みなさい、等。) 「え〜」 と、応えると、 「君にはその内容を歌にする技術もないのか?」 と、言われる。「ないよ〜」 やっぱり、それきりであるのか。
ふくまれているものたちをととのえる 凍りご飯の解けてゆくまで 君の待つ凍りご飯の食べごろは夜半であるよ すぐに食べなさい 自然に解けていって暑い部屋でほっといたら炊けたてみたいになっちゃって * * * 帆掛舟ありをりはべりいまそかり紋白蝶は菜の花の…
ビニールに閉じ込められてビニールの皺を見ている 温い水 さかな 手の平からこぼれたお菓子をちり紙で包んで食べるの母さん ひとりで
曇天に白き塔立ちをりぬ 人の芥の燃え上がりゆく
爪先で吊り下げられているような家鴨のようなわたくしのこと いいかげんなことばっかりをいっている入道雲をみないで、空で きりんからなみだをもらうぼくたちは遠くの野原でいっぱい殺す 彼女から奪いかえしてわたくしを黄色の小箱にぎうと押しこむ