短歌日記


  きみの頸あたりの骨を舐めおえて、灰色 窓の雨を見上げる


  高き橋つるつる渡る子どもらよ青空にはきっと驢馬も停まるよ


  樹に耳を沿わせるように縋りたりおとこの腹のやわらかき音


  蕎麦は蕎麦饂飩は饂飩と何時の間に憶えたのだろう 紫陽花を見る


  その翠色した腿を閃かし 彼女は往ってしまった 冬に